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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第23章 Be Still My Beating Heart
折り返し連絡する時はスカイプにしない?サオリの顔見て話したいわ。

「嫌。」

思わず口をついて出た言葉だった。

「書き上げるまで、絶対に、嫌。」

レイの驚いた息を飲む音が聞こえる。

まさか、私の返答がこんなものだと思わなかったんだろう。

自分自身でもビックリしているから。

……わかった。編集長に止めるよう伝えて。止められたら……。

「メールか、LINE、して。」冷たい言葉だった。

そのままレイの返事を待たずに、電話を切り。

そのままベッドに倒れ込み、慟哭した。

声が漏れぬよう、枕に顔を埋めて。






………沙織が、あんな物言いをするとは、ね。

そっと沙織の部屋のドアを閉める。

沙織の中で何か変化があったのは確かだろう。

作品中の人物に命を吹き込んでやりたい、か。

あんなものは世に出せない、か。言うようになったな。

あんなに甘え切ってるレイにも、他の人にも、ああいう言い方はしない子だった。

自分の中で消化しきれてないものがあったうえで、新たな感情が芽生え。

戸惑って。

自分自身の感情をコントロール出来なくなっている。

そんなところかな。

何か、大事なものを失くしたか。

沙織も私に似たところがある。

辛すぎることがあると、仕事に逃げて己の居場所を作ろうとした私と。

妻を亡くして、辛すぎて。仕事に逃げ。日本を離れた私と。

血は争えないものだ。

だが。

娘には、そうあって欲しくはなかったな。

自分の生み出した作品に自信は持って欲しいとは思う。

それを稼業とするならば、当たり前のことだ。

だが、そのきっかけが。

娘にとって辛いものであって欲しくない。

親としての私は、娘を見守る事しか出来ない。

傷付いて、泣いてした時に抱きしめてやることしか出来ない。

自分で消化して乗り越えるしかない事なのだから。
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