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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第23章 Be Still My Beating Heart

賀茂に連れられパーティー会場に戻ったが、

やはりどうしても彼女の事が気にかかってしまう。

ジョンソン氏に紹介され、そこだけはしっかり仕事モードに切り替えられたが。

後、賀茂にこの後飲みに行こうだとか、いつ帰国するとか聞かれたが。

生返事でろくに会話が成立してなかったと思う。

帰り間際のあの今にも泣きだしてしまいそうな彼女の横顔。

桜井、俺は我を忘れて彼女を抱きしめてしまって。

それだけで、彼女を泣かせてしまうんだ。

どうすりゃいいんだ。

何をしても、彼女を泣かせるだけになってしまうのか?

なら、やっぱり俺には選択肢はひとつなんだろう?

“cherry blossom”では、ただただ狼狽えるしか出来なかった。

だが。俺は今回彼女のルンバで。

俺の自惚れでなければ。

再び求愛された。

あんなに真っ直ぐに。

ただただ、俺を求めていた。

俺に身を委ねたり。手を取り合い。見つめ合い。

近距離で。息づかいまで感じながら。

そういう曲だから、そういう振り付けだからと。

己に言い聞かせ続けて、いた。

だが、どうだ。

気付けばいつの間にか、彼女の想いを受け止め。

もっと、もっと俺を求めろと応えてしまっていたではないか。

彼女が欲しいと、求めてしまっていたではないか。

フロアを離れ、彼女の手が離れてしまうのを惜しいと思ったではないか。

何故だ、何故彼女の前ではこう自制心が効かない?

そう思いながら、

賛辞の声を贈るために周りに集まってきたパーティー客をあしらっていた。

なのに、また。

会場を出る彼女を追いかけ……。

あんな事、自分でも初めてだった。

桜井、俺は……。恋愛を。したこと、ないのか?

そう考えが及んだ時。

ドクン。

やばい。俺、心臓壊れた?

胸に手を当ててみる。

耳の奥で鳴り響くように聞こえるのは、紛れもなく。

手に伝わる騒がしい鼓動、だった。
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