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第27章 Winter songs

サオリと朝比奈の動画や、コメントの嵐は気になったけど。

とにかく、書き直した原稿を編集長にメールしてみると。

書き直した原稿を読み終えた編集長から、物凄い鼻息の荒い電話がかかってきた。

これだよ、こういう化け方待っていたんだと。

書き直しの前も良かったが。

この作中の人物たちの息遣いまで聞こえそうな、この感じ堪らない。と。

これは、代表作になるやもしれん。

何ならシリーズ化して欲しいぐらいだと。

ま、そこいら全てはサオリ次第なんだけれど。

すぐに出版の方向に進みそうな勢いだった。

映画前に出版されるかもね。

いい宣伝になる。

なにより。この動画。

編集長も知っていた。

世界各国で見られてしまってコメントも物凄い。

これを上手く使うために、何が何でも“夕凪”お披露目まで

“夕凪”イコールサオリだということは隠し通せと。

スキャンダルもなるべくならご法度だと。

ただ。

朝比奈との関係性は実のところどうなんだと。

本当に付き合っているなら、いい。

朝比奈なら話題性も抜群だが、

彼の身辺はサオリとは真逆のタイプの女性がちらつく。

が、悪い噂はない。

どこをつつかれても大丈夫だろう。

むしろ、彼の周りには真逆の女たちがいるからこそのものがある。

付き合っていないなら。

他の異性との交遊や素行には細心の注意を払ってくれと。

もちろん、私にも。

ここにいる限りは雅人との関係が取沙汰されることはないが。

私も一度はモデルとして名を馳せた。

“children”に入ってからは、

素行どうこうはそこいらのメディアに嗅ぎまわれるものではないが。

性癖だけは捉えられる恐れは、ある。

雅人の店も“EDEN”関連だけれども。

こういう状況になった今。

今ここに3か月の休暇というので逗留出来ているのは、

ありがたいことになってるのかも知れない。

．．．．．．．．．．．雅人が目覚めないこと以外は。