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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第27章 Winter songs
だからどうしていいのか分からない。

そして、我が妹もどうしていいのか分からない。

ううううむ。難問だぞ、こいつは。

そんでもって、沙織はこの叶わぬ初恋に終止符打つつもりだったてか?

はははっ。寝言は寝て言え。

沙織の友達たちの言う通りだわ。

「馬鹿なの?お前。勝手に終止符打っちゃダメに決まってるだろ。」

半泣きの顔の沙織に、敢えてきつめの言葉をぶつける。

「で、お前はさ。年明けいつくらいに日本へ帰るつもりなんだ?」

「通訳のお仕事の依頼メールが入っていたから。このまま、パリへ行く。」

おおおおおお、これはまた。

そのパリは去年も確か行ったヤツだな。

「結城新の依頼か。」

覚えている。

何度か“children”であった子だ。

英語はまぁ難なくこなせるが、

自分の興味のないことには一切合切投げ出すタイプの子だった。

何故だか沙織とは馬が合ったのか、仲良くしていた。

オトナと呼べる歳になった今でも。

だから。通訳は必要なんだろうが、

人との関わりも面倒くさがるタイプなので仕事がらみで通訳が必要な時は。

必ずと言っていいほど沙織に依頼してくる。

若き天才ショコラティエ。

沙織の友達はその結城新のチョコでバレンタインデーにきちんと言葉で

朝比奈氏に告白してから、終止符打つなら打てと言った訳か。

ふむ。最もだわな。

「結城君のチョコは希少価値が高いからいいんじゃね?」

本当はこんな意見聞きたいんじゃないんだろうが。

俺の口からは言いたくない言葉がある。

シスコンと言われようが何だろうが、自分からは言いたく、ない。

「ねぇ、お兄ちゃん。」

う。声のトーンが違う。

来るか。

「フラれるの覚悟のうえで告白ってどうすればいいの?」

はぁ?

「お前、何言ってんの?」

普通、上手くいくためにはどうすればいいか聞いてくるんじゃねぇのか?

だって…と俯く沙織を見ていたらつい。

「フラれるための告白の相談なんかすんじゃねぇよ。

 俺に相談すんなら上手くいく方法を一緒に考えてとか、

 どうされたら男が自分を好きになってくれるかとかのテクニックを俺に聞け。

 バカタレが!」

言っちまったよ。



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