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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第27章 Winter songs
かわいい妹を他の男になんざくれてやりたくねぇよ。

いつまでも俺の、俺だけのかわいい妹であって欲しいよ。

でも。

あんなに嬉しそうに朝比奈氏に誘われダンスしていた沙織の笑顔見てしまったし。

朝比奈氏がお前の事、好きなのは分かり切ってるし。

同年代の男より朝比奈氏に泣かされる方が俺はまだいい。

朝比奈氏に泣かされるかもしれないが。

同年代の奴なんかよりは、安心要素もたっぷりだと思うぜ?

どうして我が妹も朝比奈氏も。

お互い思いあってるくせに始まってもいない恋愛に尻込みするんだか分からねぇ。

父さんもああ言っていたが、

結局は魅かれ合う者たちは惹かれて結びついていくものだなと思っての

発言だったように、俺は思う。

でないと。

あの父さんが。

一度会ってみたいものだとは言わない。

興味を示したりはしない。

「お兄ちゃん………。」

くすんと鼻をすする沙織。

「お前の友達だって、本気で朝比奈氏がお前の告白に

 NOと言わないの分かってて言ってんのに決まってるぞ。」

そうなの?と涙を溜めた目で問いかけて来る。

「もう一回聞く。お前は朝比奈氏が好きか。」

目にいっぱい貯めていた涙が決壊してしまったかのように

涙をポロポロ零しながら頷く沙織を見て。

「朝比奈さんが、どうしようもないくらい好き。」

囁くような声でそう言う沙織を見て。

シスコン第2章に突入する覚悟決まった。

「分かった。俺とは全く反対側の彼だけど、お前に対しての協力は惜しまない。」

俺のデスクの椅子に座っている沙織の傍に行き、頭をポンポンとしてやる。

「俺な、あのパーティーの後お前が帰るといってロビーに出た後。」

俯き泣いて俺に頭を大人しくポンポンされていた

沙織の身体がピクッと動いたのを感じた。

「朝比奈氏がお前を抱きしめるのを一部始終見ちまった。」

う~っという恥ずかしいからか泣いているからかは判別つけにくい、

小さな呻き声を上げる。

「あれ、あの後賀茂の邪魔さえ入らなければ。」

ああ、畜生。ほんと賀茂って奴は昔からそんな奴だった。

「朝比奈氏とお前は今頃こんなことにはなっていなかった筈だ。」

でも。賀茂が絡んでたら、そのことは結果オーライになるんだ。

不思議なことに。

悪くなることは、まずない。

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