この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
TRUE COLORS  ~PURPLE~
第28章 New Year

「はい、雅人。」

コーヒーの湯気がたちあがるマグカップを

ベッドに起き上がっている雅人に手渡すと、ありがとうと呟く。


あの日。

クリスマスイヴの夜。

雅人が気が付いたのが嬉しくて、駆け寄り。

雅人に拒絶するように振り払われ。

呆然としている私の元に、

朝倉医師とスタッフが監視カメラで異常を察知しやって来た。

雅人は、部屋に侵入してくるスタッフたちに困惑し。

暴れた。

雅人も“EDEN”の人間だ。

スタッフ数名に対し大立ち回りをし、病室は修羅場と化した。

私は。

何もできずに呆然と床にへたり込んだまま、その一部始終を涙を流しながら。

傍観していただけだった。

やがて、さらに駆け付けたSPたちによって雅人は押さえつけられ。

朝倉医師の指示の元、睡眠薬と鎮静剤の注射を打たれ。

気を失ったかのように、崩れ落ちて行った。

雅人にやられ、負傷したスタッフ達と共に雅人もこの病室から出て行く。

「さすがは“EDEN”の人間ね。見てよ、この病室。無茶苦茶だわ。」

へたり込んだままの私の元に来た朝倉医師の声で、少し我に返る。

「なん、で。 こんな、ことに」

震える涙声で言葉もうまく出せない。

へたりこんだ私の目線に合わせるように、しゃがみ込んで目線を合わせて来る。

「しっかりしなさい、レイ。」

ぴしゃりと私を𠮟りつける。

「未知の薬の副作用としか、今は言い様がないわ。」

でもね、と少し口調と表情を和らげる。

このまま目覚めないかと思っていたの。

はっきり言ってこのまま目覚めなかったら、

本当に体力的に危ないかもと思っていたからね。

でも、見てよ。この部屋の惨状。

彼、凄いわ。と苦笑しながら部屋を見渡す。

ベッドや医療機器、テーブルやソファ。

みんなひっくり返って、メチャクチャに壊れている。

うちのスタッフ、何人いたと思う?5人よ?

5人相手にこの大立ち回り。

SPが来てくれてなかったら、まだ大変なことになっていたわね、と笑い。

私の手を取り、立ち上がらせてくれた。
/261ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ