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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第28章 New Year

数時間後。

別の病室で点滴に繋がれ眠る雅人の姿を確認してから、

朝倉医師の診察室で、連絡を受け駆け付けたマチ子ママとケルビムと共に、

今の雅人の現状の説明を受ける。

「要は、何も分からない、と。」

という言葉と共に大きな溜息をつくマチ子ママとケルビム。

「ええ、未知の薬物と。それに対抗する開発した治療薬の副作用としか

申し上げられないのが、現状です。」

と言い、深く頭を下げる朝倉医師。

「ですが。血液検査では薬物は随分抜けてきているようです。

なにより、彼の体力と精神力の凄さには驚きました。

消化機能は少し落ちてはいるものの、脳波にも異常は見られません。ただ。」

そう言って私に視線を寄越す。

「記憶が、定かではないようなのです。」

そう言い、私と雅人とのやり取りをマチ子ママたちに話す。

「記憶喪失、という事なんでしょうか?」

ケルビムが唸るような低い声で問うてくる。

彼の表情も苦悩の表情だ。

マチ子ママは唇を噛みしめ、目を固く瞑り耐えている。

「もう一度雅人さんが目覚めて、彼本人とお話を直にしてみない事には何とも。」

そう朝倉医師が言い、一瞬沈黙があった時。

1本の内線が入る。

「雅人さんが、目覚めたようです。」



「うん、バイタルはほぼ正常値ね。」

私たちは内線が入った後、雅人が移された病室へ移動し。

朝倉医師が彼のバイタルを計測する間、私たちは、誰も、一言も言葉を発せなかった。

当の本人は、本当に私たちが誰なのか分かっていないようで。

困惑の眼差しで私たちを見ている。
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