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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第29章 New Year 2
大晦日。

早朝からこちらにある日本食材も取り扱っている24時間経営のスーパーで、

お兄ちゃんと食材を大量購入している。

「高野豆腐、炊くだろ?」

お兄ちゃんの大好物。

「なら、干し椎茸買わなきゃね。」

乾物コーナーでお目当てのものを探していると、こちらにいる日本人の方と出会う。

お互い異国の地で出会うと、同じ日本人同士としての親近感が湧くのか、

どちらからともなくそっと会釈をする。

日本人特有のいい習慣なの、かな。

お目当ての高野豆腐、干し椎茸と共に、昆布、干し海老、鰹節も買い込む。

こちらも日本食ブームがあるためか、品質の良いものがたくさん揃えられている。

「お兄ちゃんお手製の伊達巻、もちろん作ってくれるんでしょう?」

「お!任せとけ。じゃあはんぺんも買わないとな。ここ、あるかな?」

2人で大型カートを押しながら、はんぺんを探しに行こうと、

乾物コーナーを出た時だった。

「おい!」

げ。この声。

恐る恐る振り向くと

結城君が不機嫌そのものの顔つきで。

腕を組み仁王立ちで立っていた。

ここに来ること、言ってたっけ?

「人を年越しに誘っておいて、何の連絡も寄越さねぇってお前何なんだよ?」

口の中には棒付きキャンディー。好きだね、それ。

子供の頃から、ずっと、それ。

そんなキャンディー口にしているくせに。

不機嫌そのもので腕組仁王立ちなんだもの、可笑しくってつい笑ってしまった。

「やあ、結城君」

お兄ちゃんも同じように思ったのか、笑いをかみ殺しながら結城君に声を掛ける。

お兄ちゃんが見えてなかったのかしら。

ちょっとバツが悪そうな感じで、ペコリと頭を下げる。

驚き。そんなこと出来るようになったんだ。

「丁度良かった。大量買い込みしてるからさ、手伝ってよ。料理も、さ。」

しかし。結城君この時間によく私たちがここにいる事分かったなぁって感心していたら。

「俺も、大量買い込みしてたんです。」

結城君の後ろにあるカートには

ワインやシャンパン、日本酒。お菓子なんかが山積みだった。

それ、ウチに持ってくるつもりだったの?!

何だかんだ言いながら、ちゃんと気遣いしてくれる人なんだよね。


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