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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第29章 New Year 2
『ごめんね。小姐(シャオジェー※1)』

『立てる?ケガしてない?』

子どもたちが心配そうに覗き込みながら、そう声を掛けてくれる。

『う、うん…。』

『これ、小姐のだよね?』

李おばさんのお店で買った月餅の紙袋も、

転んでしまった時に道に投げ出してしまっていたようだ。

子どもたちがそれを拾ってくれて、すまなさそうに持って来てくれる。

『うん、ありがと。あ!痛っ!』

立ち上がろうとすると、右足首に激痛が走る。

「えっ?」

と同時にフワッと身体が持ち上げられる感じが…。

「全くよ!ホントどんくせぇよな。」

言葉は乱暴だけど。

さっと難なく横抱きして起き上がらせてくれる。

こういうところは、言葉とは裏腹で。

店先にあったベンチにそっと下ろしてくれる。

「挫いたか?右か?」

結城君が私の足の具合を見るため、片膝ついて。

右足に手をする様を見ていた、子供たちの中の女の子たちが

『灰姑娘(ホェイグーニアン※2)みたい…。』

と呟く。

顔を真っ赤にして。

その真っ赤な顔を両手で包み、夢見心地な声色で。

そんな女の子たちを見てしまった私。

「だ、大丈夫よ!」

ベンチから慌てて立ち上がる。

「!!」

でも、やっぱり右足首に激痛が走りよろめく。

「ほら、大丈夫じゃねぇだろ?顔も真っ赤じゃん。痛いの我慢すんなって。」

よろめく私に肩に手を添え、支えてくれる。

途端に女の子たちから、黄色い歓声が上がった。




※1 小姐(シャオジェー)  お姉ちゃん

※2 灰姑娘(ホェイグーニアン)  シンデレラ
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