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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第30章 In paris

「はぁ…。」

「何間抜け面して、溜息ついてんだよ?辛気臭ぇなぁ。」

溜息をつく私の隣でニヤニヤしながらチャチャを入れてくる結城君。

今、パリに向かう飛行機の中だ。

丁度フランスに向かうジョンソン氏のプライベートジェットに同乗させて貰っているのだ。

チャイナタウンでの買い物をあの後早々に切り上げて、家に帰って。

挫いた私の右足に湿布を貼り、

そのままゆっくりと年越しをすべく作り上げたお節や飲み物なんかを準備していたのだが


ピロン♪

ラインの受信を報せる音に気付きスマホを上着のポケットから取り出す。

レイからだ。

ラインを開いてみると。

「何、これ……。」

文章も入っているのだけれど。

それよりもまず目に入ったのは添付されている写真と動画。

写真はベンチに座っている私と、その私の前に跪く結城君。

動画は。

結城君が私を颯爽と抱き上げベンチに座らせ、

その私の前に跪き足首の具合を見ようと手を添えている様。

何?つい一時間前ほどの出来事じゃない!

しかも、レイからのラインでだなんて、どうして?!

スマホを見て唖然としていると。

「うわ。チャイナタウンにパパラッチでもいたかぁ?」

結城君がそんな私の後ろからスマホを覗き込んで声を上げる。

この。

この一連、この呑気なからかうような声を聞いて。

結城君が仕込んだものだと確信した。

『結城君と合流したのね。例のパリのチョコ博同行でしょ?

 これくらいの露出はいいけど、

 夕凪と結び付けられるような事がないようにだけ気を付けて。』

このラインの文面を見て、結城君は絶対この件の主犯だと再確認。

日本にいるレイからこんなものが送られてくるのだから、

SNSで拡散されているもので間違いない。

ああ。

結城君の悪巧みの一環なんだろうな。

まだスマホを覗き込んでいるヤツをじっとりした目で睨んでやるが。

本人はどこ吹く風で。

「お。俺、カッコよく映ってるねぇ!」
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