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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第5章 First contact
「そうか、良かった!」

心底安心したような表情を浮かべ、眠るサオリの顔を見る。

何よ。気に入らないわね、その顔。

アンタ、そんな顔して女の顔見たことあったっけ?

「取り敢えず貧血の薬だけでも今、飲ませてあげたいから、お水下さらないっ?」

それを聞いた桜井が水を取ってくるべく部屋を飛び出して行った。



「いいっ?料金はちゃんとお支払い致します!
 
 お金に糸目なんてつけないわよ!値切るような真似もしない!

 でも、受けたからにはASAHINAの名に懸けて

 きちんと仕事、してよねっ!」

ずぶ濡れになった衣服の代わりに、

こちらが用意した下着とワンピースを着せた

まだ目を覚まさない少女を抱えたまま、

手配したタクシーに乗り込む直前まで

噛みつくように何度も何度も念を押して、レイは帰って行った。

レイたちを乗せたタクシーを見送りながら、

先程目の当たりにした光景を思い出し、何故か苦い感情が胸を支配する。

桜井が持ってきたミネラルウォーターを受け取ったレイは

バッグの中からピルケースを取り出し、

その中から錠剤を取り出し彼女を抱き起して、口に含ませる。

ミネラルウォーターの蓋を開け、レイが水をあおり。

彼女の口に口移しでゆっくり水を飲ませ、薬を流し込んでいく。

桜井は水を届けた後、部屋を出て行ってしまっていたからこの光景を見ていない。

そして、その光景を目の当たりにしている俺の表情も見ていない。

あの時の俺の表情を見ていたら、桜井は何と言うだろう?

この苦い感情を、何と呼ぶのだろう?

そんなことを考えているなんて全く知らない桜井が

オフィスに戻りましょうと声を掛けてくる。

とにかく。まだ“夕凪”という少女像が掴めていないが。

レイからのオファーを受けた以上は、チームの立ち上げだけは早急にせねばなるまい。

こちらが貸した下着とワンピースであらかたのサイズは分かっているが。

次回、“夕凪”に会うまでにできる限りの準備だけは済ませておこう。

そう思い、オフィスに戻っていった。
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