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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第6章 ”ナイチンゲール”
今年御年60歳になってらっしゃるはずだけど、

ここに属しているせいか見た目は30代後半ぐらいにしか見えない。

真っ黒なキレイなロングヘアーを高い位置で一つにまとめている。

170近くある細身の体には白衣と黒のタイトなレザーパンツ。

そして、印象的な真っ赤なルージュ。

美魔女、よね。

“children”時代、よく回りの人達に私たちは親戚かなにかか?

と問われたくらい、私たちは見た目が似ていたらしく。

朝倉医師も私を実の弟のように可愛がって、からかってくれた。

「飲ませてるだけじゃあダメなのよ?

 見なさい!この細っこい腕!ちゃんと食べさせてんの?
 
 栄養管理もあなたたちのお仕事よ?」

ポンッと肩を叩かれる。

「この子は小さいころから寝食を忘れて没頭しちゃう子だったからねぇ。」

「ええ。」

「小説家なんて、それの最たるものだしねぇ。しかもその年齢でもう売れっ子。」

朝倉医師もサオリの寝顔を愛おしそうに見つめている。

「こんなところに身を置く自分が言うのもなんだけど。」

サオリの髪をそっと撫でながら続ける。

「“children”の子供たちは、本当にびっくりするくらい皆優秀で。

 一般の人の脳ってね。脳の機能の10~20%くらいしか使われていないの。

 でも、この子たちの脳はそれをはるかに超える60~70%近く機能している。
 
 だから。」

切なそうなため息を零す。

「私たちには未知の領域すぎて。

 この子たちの心と身体にどんな影響が出ているのかも、正直分からない。」

朝倉医師の言葉が、痛い。

「一般の人から見たらこの子たちは優秀なところもあるけど、

 一般の人から見たら欠落している部分もあるのもまた事実。」

パッと椅子から立ち上がる

「だから、私たちサポートメンバーがしっかりしなくちゃいけないのよ!

 いい?レイ。あなたが泣いてちゃ、いけないの。」

両ひざのうえにある拳にギュッと力を込める。

「“children”の中に、医療に特化した優秀な子がたくさんいる。

 その子たちがいずれこの“ナイチンゲール”で
 
 ニュータイプと言われる彼等“children”の
 
 心と身体を守ってくれる医療技術を見つけてくれるわ。きっと。

 その日まで、私たちが、頑張りましょう!」

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