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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第6章 ”ナイチンゲール”
点滴がもうすぐ終わる、という頃。

サオリがやっと目を覚ました。

「レイ………。」

「もう、大丈夫よ。」

朝倉医師が点滴の針を抜き、針の後に小さなバンソコウを貼る。

そして、何も言えずサオリをただただ見つめる私の肩を小突く。

「ほら、姫のお目覚めよ。執事は執事らしくお仕事なさい!」

「ば、馬鹿言わないで!誰が執事よ!」

助かる。朝倉医師が軽口叩いてくれたお陰で

いつもの調子でサオリに接することが出来る。

起き上がろうとするサオリを手助けし、ベッドに座らせる。


「ねぇ、沙織ちゃん。」

「あ、朝倉先生。私、また?」

優しく声を掛けてくれた朝倉先生の顔を見て、また私は貧血で倒れて

ここに運ばれたのだと理解する。

ベッドから降りようかと身体を動かすと、

左肩から胸元に引き攣るような痛みが走り、

顔をしかめ痛みの走った部分に手をやる。

「ええ、貧血もだけど。」

そっと背中に手を添えてくれながら

「火傷、あんまり心配しなくて大丈夫よ。

 応急処置が適切だったお陰で、軽傷で済んでるから。」

…………。

「塗り薬だしておくから。それをきちんと塗っていたらすぐキレイに戻るわよ。」

…………火傷?

「ねぇ、ちゃんとレイは沙織ちゃんにご飯、食べさせてる?」

「失礼ね!ちゃんと食べさせてます!!」

「だったら、どうして沙織ちゃんの腕はこんなに細いの?

 血管に点滴の針刺すの、大変だったんだから!」

…………ずぶ濡れの、男神。

かぁ~っと赤くなってくる頬を手で包む。

…………やだ、どうしよう!どうしよう!!……どうしようっ!!!

「じゃあどうしてこんなに細っこいの!」

「けっこう食べんのよ?この子!しかも、定食屋で一人前しっかり食べた後、

 クレープ屋行ってこっちが胸焼けしちゃいそうなくらい

 でっかい特製クレープまでまるっといっちゃうんだからっ!」

「その後、締め切り締め切りって言ってムチ振るうんでしょ!」

やだ、胸がドキドキして、苦しいかも。

まだ貧血の点滴が効ききってないのかしら。

「馬鹿言わないで!サオリには一度だって締め切りに追われるような

 出版契約なんてさせてないわよっ!」

「んまぁ!甘やかしちゃって!」

………顔、熱い。

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