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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第7章 Second contact
 そしてエコーは悲しみのあまり体がどんどんやせていって、

とうとう声だけになってしまいました。

 エコーの悲しい結末を知った他の妖精たちは、

みなでナルキッソスに仕返しをしようと考えました。

「ナルキッソスも、つらい目にあってみればいいんだわ」

「そうよ、そうだわ」

「侮辱を罰する女神ネメシスさまに、お願いしましょうよ」

「でも、どんなお願いをするの?」

「自分に恋をして、他の誰も好きになれない様にしてもらうのよ」

侮辱を罰する女神ネメシスは、他人を愛せないナルキッソスが、

ただ自分だけを愛するよう罰を与えました。

 ネメシスは無情なナルキッソスをムーサの山にある池によび寄せました。

 喉が渇いたナルキッソスは池の水を飲もうとして、ハッとしました。

「誰だろう、この美しい人は?」

 ナルキッソスは池の水面に映っている自分の姿を、

 美しい妖精だと思い込んでしまったのです。

「何と素敵な妖精だ。どうか池からあがっておくれ。

 わたしの前に出てきておくれ。」

 当然、水面に映った自分の姿は何も返事をしません。

「外に出てきてもらえないのならば、

 わたしがあなたをずっと見つめていよう」

 自分の姿に恋をしたナルキッソスは、その池から離れなくなりました。

 そして食べる事も寝る事も忘れてしまったナルキッソスは、

 痩せおとろえてしまいました。

 そんなナルキッソスのことを聞いたエコーは、じっとしていられませんでした。

 エコーはナルキッソスのところにやって来て、

 ナルキッソスが小さなため息をつくと自分も同じようにため息をつきました。


 ある春の事、すっかりやせ衰えたナルキッソスは、

 美しい自分の姿が映っている池に手を伸ばしました。

「美しい妖精よ。今日こそは、私のところに来ておくれ」

 そしてバランスを崩して、ナルキッソスは池の中に落ちてしまったのです。

 体の弱っていたナルキッソスは、池の底に沈んで二度と浮かんではきませんでした。

 エコーはもちろん、侮辱を罰する女神ネメシスにお願いをした妖精たちも、

 池の底に沈んだナルキッソスを探しました。

 どんなに探してもナルキッソスは見つかりませんでした。

 その代わり、黄色いおしべの白い花が、池のほとりに咲いていました。

 

 

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