この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
TRUE COLORS  ~PURPLE~
第9章 Lily of the valley

何よ、ずいぶん遅かったじゃない。

朝比奈と一緒に桜井のオフィスに帰ってきたサオリは

何も言わなかったが、見れば分かる。

平静を装っているが。かなり上機嫌だ。

桜井は必死に笑いを堪えている。

あの桜井の様子からして、私がサオリを見て分かるように、

桜井も朝比奈を見て分かることがあるのだろう。

桜井は面白いみたいだけど。私はちっとも面白くないんですからね!

と桜井に怒りの視線を投げかける。

そんな視線をさらりと躱した桜井は

今まで私たちが何点かのデザイン画について

打ち合わせしたことを朝比奈に報告していく。

なによ。ホントに面白くないったら!


先に打ち合わせができたデザインから着手していき、

後は追々決めて進めていこうと話がまとまった頃。

私はサオリの首元に光るものを見付け、目を剝いた。

桜井もそれに気付き、驚いた表情をしている。

それを贈ったであろう、贈られたであろう本人たちの

口数が、心なしか少ない。
いつもの、朝比奈じゃ、ない。

~~~!なんなの!なんなのよ!

憤怒の形相と化していく私とは裏腹に、

楽しそうな笑顔を浮かべる桜井が段々憎らしく思えてくる。

桜井め。後であんたのお尻撫で上げてやるから!


帰りのタクシーに乗り込む前、

見送りのために出てきてくれていた桜井のお尻を

思いっきり掴んでから撫で上げてやり、

桜井が悲鳴をあげている時に。

同じく見送りに来てくれている朝比奈を思いっきり睨みつけて。

サオリをタクシーに押し込み。

私に睨みつけられて、驚いた表情の彼に

いつもの飄々としたものがないことに。

ああ、桜井の言う通りだと悟った私は完全に打ちのめされた。

「レイ!お前、これセクハラだぞ!八つ当たりだぞ?!」

「バーカ!バーカ!馬鹿桜井っ!!」

打ちのめされて心に余裕がない私は、

子どもっぽい罵声を桜井に浴びせ、

一刻も早くこの場を離れたくて、運転手に行き先を告げ。逃げた。



/261ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ