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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第11章 “cherry blossom”
「ちょっと固めね、私はこれぐらいが好きだけど。」

お味噌汁を一口すすって

「お豆腐と和布入れてから、あんまり温めすぎちゃだめよ。

 だし加減はバッチリ!」

そう一品一品サオリの作ったものに、

成長したわねぇと泣き出してしまいそうな

気持を抑えながら感想を述べていく。

向かい側に座っていたサオリはお茶碗とお箸を持ったまま

そんな私をじっと見ていたが。

そっとそれらをテーブルに戻し。

俯く。

え?何?

「………っちゃうの?」

え?何?泣いてんの?

「サオリ?なに?なんて言ったの?」

慌てて手にしていた箸と汁椀をテーブルに戻す。

目にいっぱい涙を溜めた顔を上げる。

ああ、その顔。初めて会った時。

キャシーに抱っこされ目にいっぱい涙溜めて泣くのを堪えて

サオリパパと直人を、朝見送っていた時の顔と変わんないわね。

「レイ、恋人のところに、行っちゃうの?」

ぽろぽろ涙を零しながら

「私から離れて、恋人の、ところに、行っちゃうの?」

つっかえつっかえ、そう私に訴えかけてくる。

「は?恋人?……アンタ、なに言ってんの?」

だってだってとしゃくりあげながら

こないだから夜出掛けて。

朝帰ってきたら、腰を痛そうにしていて。

声も掠れててと、泣きながら言う。

大学のお友達に相談してみたら、

男友達も女友達も皆恋人ができたからだと口を揃えて言ったのだという。

全く、なんてことを皆に相談してくれちゃってんのよ。

「今朝なんて、ソレ。」

と私の左の首を指さす。

「それ、キスマークなんでしょ?」

あんのドスケベドS野郎!いつの間にそんなもん付けやがった!

慌ててキスマーク痕を隠しなが高らかに宣言する。

「馬鹿ね、そんなことがあるもんですか。

 例えばね?サオリに彼が出来たら、私ちゃんとお邪魔虫しちゃうわよ?」

う。朝比奈が彼ならやりにくいなぁ。

ぽろぽろ涙をこぼしながら私を見ている。

「そんでもって、私に恋人が出来ても!サオリが一番。

 恋人が二番。これは変わらないわ。」

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