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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第12章 It's all right. 1
「モデルのあてはあるんですか?」

「ああ、ある程度は目星をつけてはいるが。

 映画のキャストにもいい人材いるからな。

 そこにもアタリつけてみたいしな。」

映画のキャスティング見るとなかなかの大物たちの名が連なっていたしな。

「宣伝はいかに効果的にするか、基本だろ?」

確かに。

「映画の衣装を任されている会社も

 ウチとは懇意にさせてもらってるところだったし。

 色々協力して出来そうだしな。」

そうだ、何もかも社長、アンタの言う通りだ。

そのあたりの交渉なんかは社長が一番いいし。

モデル発掘の目も確かだ。

だが、だが………。それだけじゃないだろう?社長!

「………なにか、ありました?」

え?という顔を一瞬したが。

コーヒーカップをテーブルに戻し、

フと笑いながら目をつぶり否定の意を表すように頭を振り、

「いや、何も。」と静かに。

何かに絶望し、疲れ切った男のようだった。

「何もない訳はないでしょう?」

堪らず俺は声を荒げた。

社長があんな風に体調を崩すなんて初めての事だった。

今の顔も、底知れぬものを感じて怖い。

社長が壊れていってるようで、怖かった。

「いや、年甲斐もなく無理をして、今回寝込んだだろう?

 寝込んでる間ゆっくり色々考えられたからな。」

歳はとりたくないもんだねぇ。とハハハと笑う。

馬鹿言うなよ!社長。俺の目はそんなもんじゃ誤魔化せないぞ。

「社長、俺、そんなに頼りないですか?」

「何を言ってる?お前を俺の右腕だと思ってるから

 プロジェクト任せて他を当たれるんだといっただろ?

 頼りないなんて思ってるはずがないだろう。」

馬鹿野郎。それで誤魔化すんじゃねぇよ。

「そこじゃない!社長!

 俺がそこを言ってんじゃないことだと分かってるでしょう?!」

二人の間に長い沈黙があったが。

「大丈夫だ、桜井。……俺は大丈夫だから。」

そう言われ、堪らず俺は社長のオフィスから逃げるように出て行った。

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