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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第13章 It's all right. 2
「じゃ、これでいいね?」

打ち合わせがようやく終わり、時計を見る。

やっと終わったせいか、レイとお姫様もホッとした表情を浮かべ

すっかりぬるくなってしまったコーヒーを飲んでいた。

「これも早急に進めていくよ。

 次、残りの分の打ち合わせする頃、最初に決めたものが仮縫いの頃だから。

 一度合わせてみてね、沙織ちゃん。」

わざと、初めて彼女にそう言ってみる。

レイはピクと片眉を吊り上げたが、何も言わなかった。

当の本人は全く気にしてない風で素直に話の内容に対して、はい。と答え

ニコニコしている。

ああ、やっぱかわいいなぁ。

「こんな時間になっちゃたね。な、レイ。腹減らね?この後一緒に三人で飯行かね?」

と誘ってみる。

けんもほろろと思いきや。

「あ、ごめん。私この後ちょっと行きたいとこがあるの。

 サオリ、桜井とご飯行って来る?コイツなかなかの食道楽だから、

 美味しいもの食べさせてくれるわよ?きっと。」

と来たもんだ。

沙織ちゃんも、俺に対して警戒心ゼロなのか。

レイに勧められたからなのか定かではないが

「いいんですか?」

と嬉しそうにニコニコと俺に聞いてくる。

「何でもご馳走しますよ。」


レストルームに立った沙織ちゃんを待っている間に

レイが俺にギロリとした視線を寄越す。

「どういう風の吹きまわしかしら?」

「ただ、いつも豪華な手土産頂いてるからね。そのお礼さ。」

ふぅ~んと言いながらそれだけじゃないでしょ、という目で見てくる。

「ま、いいわ。」

う~んと言いながら両手を上げ伸びをし、

「アンタならまだ安心よ。モテるくせに浮いた話ひとつたててないし。」

「分かんないぜ?」

「バツイチでもないし、朝比奈よりはアンタの方が、まだ許せる。」

へぇ。意外なことを言ってくれるもんだ。

「朝比奈。アイツはいい男よ、それは分かってる。でもね。」

キュッと眉を顰める。

「アイツはきっとサオリを泣かせる。」

「俺だって、泣かせちゃうかも知れないぜ?」

茶化すんじゃないわよと、俺を睨み

「サオリを泣かせるだけじゃなくて、きっと朝比奈自身も苦しんで泣くわ。

 サオリを受け入れる覚悟を持ちきれなくて。」

そうなるのを分かってて、ただ黙って見ているしか出来ないのが辛いのと呟く。

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