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蜜と獄 〜甘く壊して〜
第3章 【秘密裏な罠と罰】





たった一言だけど画面に映ってしまった。
送り主は勿論、堤さんで。
咄嗟に未読のまま消したけど見たよね?




「あ………アハハ、明日また堤さん来たら3人で話そっか」




なに誤魔化してんだろ、逆に怪しまれるよね。




「付合ってるんですか?堤さんと」




「まさか……」




「でも、お店の外でも会ってるんですよね?」




「それはキミが入院したから色々と……」




「堤さんが相手なら勝ち目ないっすね…」




「いや、本当にそんなんじゃないから」




「いえ、やっと色々繋がったっていうかスッキリしました」




「え、え、何が?勘違いだからね?」




「男からみても惚れますもんね、堤さんって」




「ちょっと、本当に違うんだってばぁ…!」




肩に触れたのにすかされてよろけた。
片手で受け止めてくれて「ごめん」と顔を上げればもう目の前に顔。




「違うって言い張るなら僕じゃダメですか?リリカさんってすごく美人で下っ端の僕らからしたら近寄り難いイメージでしたけど、こんな風に優しくされたら本気で好きになっちゃいます」




顔が熱い……ストレートに言われたらどうしていいかわからなくなる。
でも、期待させるのは違うってわかってる。




「堤さんとは本当に何もないの、それと…好きになるのは自由だけど私は誰とも付き合わないから」




「え…?」




「期待させたならごめんなさい」と離れる。




「ほら、私こういう仕事してるし男の扱い慣れてるの、見抜かないと悪い女に引っ掛かるわよ?世話好きなのは性分だから許して?もう弟みたいなものだから」




「弟………すか」




「うん、家族!そういうのダメ?」




「いえ、嬉しいです」




まさか涙ぐむとは思わなかったからこっちが慌てる。
「じゃ、シスコンでも良いですか?」なんて可愛いこと言うから快諾した。




その日の夜は警報が出るほど異常気象で豪雨に見舞われた。





メールの返事は返してない。
絶対わざとだと思ったから。
出勤日なのにわざわざメッセージをよこすなんて。
しかもお見舞いで来てると知っている時間帯に。









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