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蜜と獄 〜甘く壊して〜
第3章 【秘密裏な罠と罰】
「もう…ダメぇ…っ」
「まだだよ……全然足りねぇよ紗衣…っ」
後ろから突き上げられ揺れる。
膝で立てなくて崩れても堤さんは容赦なくピストンしてきた。
夜通し続いた獣のようなセックスは最後まで意識は保たなかったようだ。
気を失うように眠った私に紅い花びらが舞う。
次に目覚めた時にはもう朝で、すぐ傍に堤さんの寝顔と腕の中だった。
こんなに幸せな朝はいつぶりだろうか。
スヤスヤと眠るあどけない寝顔にキスをしてベットから降りた。
ぐっすり眠ってくれているなら嬉しい。
すぐ横に置いてあった避妊の数々にびっくりしながらも6回とか本当絶倫なんだな…と感心さえする。
途中意識飛んで最後までは無理だったけど、イキ過ぎて幸せだったことは鮮明に覚えてるよ。
やっぱり私は堤さんが好きなんだと思う。
この腕に…この身体に…この人に抱かれたかったんだと。
腰はまだズキズキするがそれも幸せな痛みで頭の中はスッキリしている。
シャワーを浴びようと鏡に映った自分を見てまた驚かされる。
全身……キスマークだらけ。
え、背中も!?太腿まで至るところに。
凄っ……独占欲。
フフフ、堤さんらしい。
脱がない仕事だから好き放題ね。
シャワー後はアップにしたまま着替える。
もうひとりの私になりきる為、裸足のまま入った作業部屋。
珍しく気持ちが入っているので作業袴にたすき掛けをするべく腰紐を口に咥えた。
こんなスッキリしている朝は書きたくて仕方なくなる。
心を無にして一心不乱に筆を進めたい。
20畳ほどある一室の壁に掛けてある社訓用の台紙。
縦100 ✕ 横100 ほどの大きさで依頼された社訓や企業理念を毛筆で代筆し額装する。
書道家として好きな字を依頼される事もあるが、基本依頼された言葉や理念を書いて送る。
直接依頼者と会うことはない。
ホームページを見て文字だけで依頼してくれるのは有り難い。
父が生きていた頃から顔出しは一切していなかった。
式典や個展等に何度も出席させられたが写真はNGにしていた。
あの頃は書道家になんかならないと酷く反発していたから。