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Kiss Again and Again
第8章 それから
冷房の効いた海の部屋は 以前来た時と変わっていない。 物が多すぎて 片付いていない雑然とした印象。 ただ 何か・・・ 違う・・・ カーネーション3本がロングタンブラーに生けてあった。 それを見つめていると
「僕は カーネーションとチューリップと桜くらいしか 知らなくて」
あなたは どこまでわたしを夢中にさせるの。 それなのに 気がつかないフリをしているの?
汗が冷えて くしゃみが出た。
「何か食べる? それとも セックスする?
冷たいお水を ボトルごと交代で飲みながら 少し落ち着いた口調で言う。
海は ”エッチ”とは言わない。 おふざけが過ぎた言葉だそうだ。 それは 海がセックスを軽々しくは考えていないことを表しているのかもしれない。
「お腹は空いていないから セックスかな」
咽喉の潤いにひと息つき 勇気を出して言ってみた。 海は 一度大きく目を見開いたあと 嬉しそうに笑った。 その笑顔 うれしい。
「あゆぅ 一緒に シャワーしよっ」
「うーーーん・・・ それは・・・」
「いいじゃん。 時間の短縮になるし」
カーネーションを見ながら 迷う。 海に応えたいけど 自分の貧弱な身体を晒すのには よほどの勇気が必要なんだけど。