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Kiss Again and Again
第14章 新しい扉
「好きって 言ったことはあるのよ」
「当たり前です。 エッチしたい、は?」
「・・・ない・・・」
キスしたい、も ないかも・・・
「はぁぁぁ・・・ あゆちゃん あなたという人は・・・」
だめよね。
「いい? 食事には 砂糖、塩・胡椒、お醤油は 必須なわけ。 それがないと どんな高級食材でも 美味しいものは作れないでしょう? それがないと 食事が 味気ないでしょう? 恋愛では それが ”あいたい” ”すき” ”エッチしたい”なわけよ」
「こころの中で思っているだけじゃあ 駄目なんだよ。 わかりきっていることでも 言葉にして伝えなくちゃ 相手に応えることにはならないの。 今、逢えるかどうかが大切なんじゃあなく 逢いたいと思っているかどうかが大切なんだよ。 大切なことは 言葉にして伝えなきゃ。 言葉で表した時に どんなに相手を歓ばせることができるか。 あゆにだって わかるでしょう?」
そう言えば ほのかちゃんは 元カレひでくんに 「ひでのために おしゃれして来た」って言ってた。
海も 「僕のためにおしゃれしてきてくれたの?」って 聞いたことがある。 わたしは 恥ずかしがって 返事をしなかった。
いつも いつも 海から来る 「今日 行ってもいい?」のラインを待ち 海から「あいたい」と言ってもらえるのを待ち続けるだけだった。 「あいたい」と言ってもらえた時の嬉しさを思い出す。
「ほの 海も ”あいたい”って言うと 嬉しかったかなぁ?」
「クズ男だって人間だから 嬉しかったんじゃあない。 長いおあずけをくらっているし」
わたしは 海にそんな嬉しさを渡していなかったんだ。
無愛想な恋人だったんだ。