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Kiss Again and Again
第3章 ジャズダンス
 高梨さんが 京都に帰って 最初に届いたラインは 「実家」とあり 古めかしい建物の写真だった。 どこが入り口なのか 何を作り出すところなのかわからない いかめしいような建物だった。

 こんな建物の中に あの美しいゲイが閉じ込められるのかと思うと 悲しかった。

 わたしは 立花先輩と サークルで一緒になった時にこっそり写メを撮り 「男前」と ラインで送った。
 すぐに 「あほ」と 返信が来た。


 寂しかったけど そういうことも次第に受け容れることができるようになっていた。


 青木さんも 寂しそうだった。

 「いい男って いなくなるのよねぇ」
 「どーかん」
 「愛美ちゃん 一緒に ジャズダンス やる?」
 「やろうっかなぁ」
 「ひとりもん同士 踊りで 発散する?」
 「見学だけでも いいですか?」
 「もちろん。 いい男 いるよ。 高梨版は いないけど」


  連れて行ってもらったのは 大学からほどほど近い そんなに大きくないスタジオで 入り口に『OTUKA JAZZ DANCE』と小さな看板がある地下だった。

 「あの某有名ダンサーを教えたことがある、らしい」
 と青木さんが紹介してくれた講師は 顔の半分以上を髭におおわれた年齢不詳の大塚先生だった。 低くてまろやかな声が 魅力的な人だ。

 賑々しくないところが気に入って 青木さんがいるのだったら、と 通ってもいいような気になっていた。

 高梨さんがいなくなった心の場所は 未だ空っぽだった。
 今のわたしには 身体を動かすことは いいかもしれない。

 教務課に行き ダンスのレッスン料のために 家庭教師をやることも決めた。

 何かを 始める。 
 何かが 動き出す。
 そんなときめきめいたものが 寂しさを埋めてくれた。

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