この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情
「コート無しでは 寒くないですか?」
「いや。 マフラーがあるから・・・ ん? マフラーは?」
「わたしが見つけたときには していなかったけど」
「あれっ? どこかで落とした? あれっ?」
「あゆからのクリスマスプレゼントだったのに・・・」
えっ? まだ 持っていたの?
しょげている。
こんな人だったかしら?
いつもパーフェクトで 何でも持っていて 何でも手に入って 何でも思い通りになって。 失敗とか 不自由とか 縁のない人だと思っていた。
「いつも 僕ばっかり」
もしかして わたしは 海のこと ちゃんと知っていなかった? 見たいようにみて 他の面があるのを わかっていなかった?
駅に着くと
「今度は僕が マンションまで送ろうか?」
わたしが知っている海にもどった。
海は 改札を抜けると 後ろ向きに歩き いつまでもわたしを見ていた。 なんだか 切なくなって 軽く手を振った。