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Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情
「シャワー ありがとう。 大分 酔いが醒めた」
「ズボンも全滅みたいですよ。 お水 飲みますか?」
「ああ・・・ 自分でするから。 いいよ あゆ そんなことしなくても」
平気な顔で 下着一枚の格好で 歩き回る。 着るものがないのだから 仕方がないのだけれど。
「でも 着て帰るものがないでしょう?」
「自業自得だから」
「よかったら これを着てください」
白いパーカーを差し出した。
「ああ・・・これ・・・ 捨てなかったんだ」
「他のものは 全部捨てました。 ごめんなさい 勝手に」
「いいよ。 そういうものでしょう?」
この白いパーカーは ふらりと立ち寄った古着屋さんで 壁にかかっているのをわたしが見ていると 海が買ってくれたのだ。 これと同じものを 高校のとき 部活が終わった後 安部周人くんが着ていた。 それを思い出し ただ見ていただけなのに 海は 「欲しいの?」と買ってくれた。 わたしには大きすぎたので 海が ここに来た時の部屋着にしていた。 なぜか 捨てられなかった。
「こんなこと これで最後にしてください」
「そうだね。 みっともないよね」
そんな 傷ついたような顔をしないで。
「自分でも みっともない、とわかっているんだけど。 飲み始めると あゆに逢いたくなって 止められなくなる」
「そんなに お酒を飲むのですか?」
「今 身辺整理しているんだ」
「身辺整理?」