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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第18章 九谷柚葉 18歳⑥変態茶道妻
 もう昼になったので、佐伯は自分で食事の支度を整えた。柚葉はまだ眠っているようだし、台所にはすでに、それらしい用意もしてあったようだったからだ。

 温めしに焼き海苔を巻くと塩むすびに仕立てて並べ、漬物樽から、古漬けの胡瓜を出した。しんなり黒ずむまで押してある胡瓜だが、皮は食感が残っていてパリパリとした歯触りが楽しめる。

 おろし生姜に醤油をひと垂らししたら、噛めば噛むほど味が出て浅漬けよりも癖になるのが古漬けの醍醐味だ。

 魚はなんと、鮭の西京漬けがあった。西京漬けと言えば銀ダラやメロだが、鮭の赤身はねっとりとしていて、白身魚のそれよりも食べ応えがある。

 油が多いので焼けばたちまち香ばしく、盛りつけた平皿からは食欲をそそる匂いが立ち込めてきた。

 そして味噌汁は、しじみである。辛めの赤味噌で濃い目に仕立てた汁は、甘口の焼き魚の後味を上手く引き締めてくれるだろう。

 それに杉樽の酒を、佐伯は徳利に汲んだ。この献立で日本酒を飲まない手はない。

「すみません、柚葉の代わりに、支度をしてくださったのですか…」

 鮭が焼ける香ばしい匂いがしたのが分かったのか、白い襦袢姿の柚葉も寝床から這い出してきた。

「僕も一人暮らしだから、これくらいはね。…柚葉ほど上手くはないだろうけど」

「そんなことないですよ。美味しそうです…」

 柚葉が寄り添ってきたので、佐伯は小さな顔を持ち上げて寝起きの唇を奪った。新婚さながらのキスだ。あれほどハードなプレイをこなしたのに、柚葉はいつまでも初々しい。

 よく眠っていたので、口の中は乾いている。果実臭がする柚葉の吐息はいつもより濃かった。絡めた舌は絹のようにもろく、唾液に濡れてひんやりとしていた。

 美少女の唾液の薄甘い味覚に、胸が甘酸っぱく詰まる。唇を離すと、透明な糸が二人の間にかすかな橋を作った。
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