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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第18章 九谷柚葉 18歳⑥変態茶道妻
(感じてるんだ…)

 めくるめくような興奮と、そこはかとない失望を佐伯は同時に味わった。

 火傷の危険性を伴うこのプレイで快感を得るまでになるのは、かなり高度なのだ。

 分かってはいたが、柚葉のマゾ性は恐ろしく重症なのに違いない。

 本人も口走っていたが、それは自分でもどうしようのないものなのだ。例えば柚葉と同じ境遇に生まれて育っても、こんな異常な性癖を持つに至るとは限らない。

 あまつさえ『たえの巫女の画貼』によって、救いようのない肛門被虐癖を目覚めさせることもなかったろう。それもまた、生まれつき天から与えられた才能なのである。

「ひんぎぃっ…くううっ…!ふんんぐうっ…あへえっ…!」

 太ももの内側から、へその上、乳房の間、鎖骨から首筋へと煮えたぎる蝋を垂らされも、柚葉は白い歯を食い縛って声を圧し殺した。初めてで、しかもこの年齢で、ここまで堪えられる女性は、中々いない。内心、佐伯は戦慄した。

 のたうつ裸体は熱に浮かされた汗と赤い蝋滴でまみれ、あまりの妖艶な乳房や腹、尻のうねりに誰もが息を飲まざるをえない。

 甘ったるい体臭がぐっと濃度を増して部屋の温気そのものになりつつある。苦痛と快楽の狭間で悶える柚葉の繊細な白肌は、茶室のほの暗い明かりの中で、凄まじい色気を放ち出していた。

 熱さに堪える柚葉の表情が、息を飲むほど艶かしい。

 長い睫毛を伏せてうつつをさまよう呆けた眼差しといい、小鼻を膨らませて尖らせた唇から辛うじて細い息を吐くだけのしどけない表情といい、計算して出来る美しさではない。

 それなのに汗で濡れた髪が貼りついた頬が上気した血の気の具合さえ、誰かが意図して仕上げたかのように、絶句するほど悩ましいのである。
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