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女流作家~君を愛すればこそ~
第9章 新しい愛の形

「痛てて…
なんだい、焼きもち妬いてるのかい?」

「だって…ずるいわ…
私に男の魅力を教えさせといて
先生ともセックスする気満々なんですもの」

「だって、僕と桐子は夫婦なんだぜ
セックスもするし一緒に風呂も入る
一緒にしないのはトイレぐらいだよ」

「あなた、それとなく私に
ノロケを語っているのに気づいてる?
ますます焼きもちを妬いちゃうわ」

「ごめんよ、そんなつもりはなかったんだけれど」

「罰として今すぐ私を抱いて頂戴」

「えっ?今すぐ?」

昨夜、あまり寝ていなかったので
体力的に不安があったので
「それは勘弁してくれよ」と
敵前逃亡するしかなかった。


その頃、桐子は書斎で
ノートパソコンを起動させたものの
指は全く動かずに
考え事に夢中になっていた。

『夫があんなに嫌っていた節子さんと
急激に仲良くなるなんておかしいわ…
まさか…まさかとは思うけれど
私が酔いつぶれたのをいいことに
あの二人、よろしくやっていたりして…』

そんなことを考えて、
あり得ないわと結論づけた。

城島節子はレズビアンなのだから
夫と男女の関係になるはずがないわ…

ああ…ダメだわ

疑惑が疑惑を呼んで頭痛がしてきた。

『変な考え休むに似たりよね』

時差ぼけは大丈夫と思ったけれど
やはり体にはダメージがあるのかもしれない。

少し横になろう…

桐子は寝室に足を踏み入れた。

「?」

起床時には気づかなかったが
変な匂いがする。

この匂いって…

桐子はゴミ箱をひっくり返してみた。

中からは大量のティッシュの紙屑が出てきた。

丸められたティッシュの残骸から
『あの匂い』がした。

これは精液の香りだわ…

間違いない、
節子と晃はセックスをしたんだわ!
それも私が眠っているこの部屋で…



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