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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2      佐々木ゆかり
 27 二人の声

 わたしは、ただでさえ『三山蓮』と『稲葉ディレクター』という二人の存在を持て余しているというのに…
 それに加えて新たに『ロッキー』という存在までもが現れてしまった。

 そしてそれが、なんとなくなのだが、この先の悪い予感が湧いてきてしまい、ザワザワと心が騒ついてしまう…

 ましてやわたしには…
 彼、大原浩一常務の専属秘書への不安な疑惑、いや、疑問というもう一つの問題もあるのだ。

 どうしようか?…

 どうしたらいいのか?…

 ザワザワと騒めきが更に不安を高めてくる…


「あ、いた、ゆかり部長ぉ」

 すると、そんな不安に陥ってエレベーターエントランス前に、呆然と立っていたわたしの耳に…

 聞き慣れた、明るい声が…

 部下の杉山、鈴木の二人の声が聞こえてきたのだ。

「あ…」

「いや、ゆかり部長が遅いから迎えに行こうって、ラウンジから出てきたんすよ」

「そう、なんかあの稲葉ってヤッしつこそうだからって…」
 と、杉山、鈴木の二人がそう言ってきた。

「あ…ご、ごめん…
 あ、そ、そうなのよ、稲葉さんしつこくてさぁ…」
 と、わたしは必死に冷静を装いながら応える。

 そして内心、さっきの不安が少し柔らいでいくのを感じていた…

「ありがとうね…」

「え、あ、いや、そんなぁ…
 でも、あのコメンテイターに誘われてるなんて凄いですねぇ」
 と、鈴木くんが言ってきた。

「え、あ、そんな、全くその気無いし…
 あ、そうだ、誰にも言わないでね」

「はい、もちろんですよ」

「あ、美咲ちゃんにもよ」

「は、はい…」

 わたしはそう鈴木くんに念を押しながら、杉山くんにも目で伝える…
 そしてもちろん鈴木くんの彼女である松山美咲ちゃんにもナイショと念を押した。

 なぜなら女の口は雲より軽いから…

「よし、じゃあ、とりあえず会社に帰ろう…」
 わたしは必死に気持ちを持ち直してそう言った。

 そう、まだ…
 何も問題は起きてはいないのだから。

 そしてわたしは超多忙なのだから…

 そう…

 まだ、何も起きてはいないのだから…

 


 
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