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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4 律子とゆかり

76 対峙の時(1)
トン、トン…
「どうぞお入りください」
8月21日木曜日午後2時45分ちょうど…
わたしと越前屋さん、蒼井美冴さんの三人で常務室を訪れドアをノックした。
「失礼します…」
ゆっくりとドアを開けながら、部屋へと入る…
わたし的には緊張の瞬間であった…
そう、いろんな意味での緊張の…
あっ…
そしてわたしはドアを開けた瞬間に、心の中でそんな声を上げてしまう。
なぜならば…
常務室のドアをゆっくりと開けた瞬間に、部屋の中の空気が揺らぎ、漂い…
この香りは…
流れてくる空気の中に微かにあの香りが…
あのシャネルNo19のほんの微かな香りがわたしの鼻腔を刺激してきたのである。
その微かな香り、芳香は、あのお盆休みの8月15日の夜に帰省から帰ってきた大原浩一常務、いや、その当時はまだ本部長であった彼に抱きついた瞬間に香ってきたあの微かな香りと同じ…
『新幹線の隣に座っていたお姉さんの香りが移ったのかなぁ…』
と、彼はあの夜、自然に、そう自然に…
ウソがヘタな、すぐわたしにバレてしまうような彼が本当に自然にそう云ってきたからわたしもサラッ流したその微かな残り香、いや、移り香の香り…
それが、この松下秘書から香る、そして常務室に微かに漂っている香り…
それがこのシャネルNo19の香り…
トン、トン…
「どうぞお入りください」
8月21日木曜日午後2時45分ちょうど…
わたしと越前屋さん、蒼井美冴さんの三人で常務室を訪れドアをノックした。
「失礼します…」
ゆっくりとドアを開けながら、部屋へと入る…
わたし的には緊張の瞬間であった…
そう、いろんな意味での緊張の…
あっ…
そしてわたしはドアを開けた瞬間に、心の中でそんな声を上げてしまう。
なぜならば…
常務室のドアをゆっくりと開けた瞬間に、部屋の中の空気が揺らぎ、漂い…
この香りは…
流れてくる空気の中に微かにあの香りが…
あのシャネルNo19のほんの微かな香りがわたしの鼻腔を刺激してきたのである。
その微かな香り、芳香は、あのお盆休みの8月15日の夜に帰省から帰ってきた大原浩一常務、いや、その当時はまだ本部長であった彼に抱きついた瞬間に香ってきたあの微かな香りと同じ…
『新幹線の隣に座っていたお姉さんの香りが移ったのかなぁ…』
と、彼はあの夜、自然に、そう自然に…
ウソがヘタな、すぐわたしにバレてしまうような彼が本当に自然にそう云ってきたからわたしもサラッ流したその微かな残り香、いや、移り香の香り…
それが、この松下秘書から香る、そして常務室に微かに漂っている香り…
それがこのシャネルNo19の香り…

