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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 79  対峙の時(4)

 この目の前に対峙している松下律子秘書の美しさ、キレイさ、ううん、このストッキングを穿いた脚の美しさは正に、彼、大原浩一という男のストッキングフェチの好みにドンピシャなのである。

 その衝立ての奥へと歩いてゆくそのストッキング脚の美しさに一気にザワザワと心を激しく騒めかせ、揺らがせてしまう…

 そして不意に脳裏に…
『どことなくぅ、あっちんにも雰囲気が似ていてぇ…』
 と、先に越前屋さんに探りを訊いた時の言葉が浮かんできた。

 あっちん…
 それは伊藤敦子…
 越前屋さんの親友であり一昨日からルームシェアをする事になり…
 そしてわたしの『黒歴史』を知り、その流れからの禁断のビアンの関係を持ってしまい、かなり心を騒つかせ、揺らがせてきている存在であり…
 それに…
 とてもキレイで美しい。

 確かに越前屋さんの云っていた通りに、雰囲気が、いや、刈り上げの違いはあれど、ベリーショートで…
 スラッと背が高くスレンダーで…
 そしてやはり八頭身以上はあろうかというくらいのモデル体型。

 とにかく完璧に近い凛とした美しさと魅惑さを感じてしまっていた…

 ザワザワザワザワ…
 わたしの心の揺らぎ、騒めきが更に増してくる。

 そしてあまりのその心の動揺につい、横に座っている蒼井美冴さんを見ると…

 あっ…
 なんとなく、なんとなくだけれども、その隣の美冴さんもこの松下秘書の美しさの魅惑を感じているのか、そんな感じの目をしてやはり彼女を見ている様に見受けられる。

 あっ…
 そしてわたしはまた更にザワザワと騒めきを昂らせてしまったのだ。

 なぜならそれは…
 今、この松下秘書に対して感じ、騒めき、動揺しているこの感情の波の揺らぎの感覚、あの以前の『黒い女』と呼ばれていた蒼井美冴さんの魅力をわたしが気づいた時の感覚と似たような、いや、同じ…

 それはわたしが30年の人生の中で初めて感じた感情の感覚…
 つまりは…
『嫉妬心』という感情と同じなのだという事に気づいたのだ。

 そう、わたしは、この対峙の一瞬にして、そんな『嫉妬心』という感情の想いを感じ…
 一気に激しく心を騒つかせ、動揺してしまったのである。

 この松下律子秘書の美しさと、そして、いや、何より彼女のこのストッキング脚の魅惑さに…
 嫉妬してしまっていた。


 
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