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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 80 対峙の時(5)

 わたしのこの心の騒めき感は『嫉妬心』からの揺らぎなのだ…
 と、そう感じ、いや、実感し、違和感を確信してしまう。

 そしてもうひとつ新たな…
「やぁ、ごくろうさん、わざわざすまないな」
 わたし達三人が常務室に入ってきた時には忙しそうに向こう向きで誰かと電話で話しをしていた大原浩一常務が、その電話を切り、こちらに向いてそう声を掛けてきた時…
 その新たな違和感を確信してしまったのである。

「あ…は、はい、いえ、いや、システム情報部に来ていましたから…」
 わたしはそんな心の動揺のままにそう応え、そして顔を上げて彼の顔を見たのだが…
 その彼を見て更にこの騒めきを昂らせてしまうのであった。

 なぜなら…
「あ、そ、そう、あの例のアレ、システムプログラムにかなりの進展があったみたいと聞いたが…」
 と、彼は言葉では至極最もな口調でそう言ってきたのであるのだが…

 あっ、えっ?…
 わたしはそんな彼の顔、表情、様子に物凄い違和感、不自然さを感じたのである。

 その違和感、不自然さとはつまり…
 
 その顔、表情は…

 嘘、ウソの顔、いや、わたしにはそう感じられるのだ。

 彼と秘密の付き合いを始めて約2年間…
 そして彼は嘘がヘタなのである…
 だからちょっとした仕草、表情、目の揺らぎで簡単にそのウソはバレる、ううん、分かってしまう。

 そして、正に、このわたしに対する彼の表情が…
 まるでその嘘、ウソを言う時の表情なのだ。

 いや、もっと簡単にいうならば…
 一切わたしに対して、わたしの目を見てこない、ううん、目さえも合わせてこない、いやいや、顔さえも向けてこないのである。

「はい、そうなんですぅ、もの凄い進展、進捗なんですぅ」
「おぉ、そうか、そうなんだ」
 と、越前屋さんがそう明るく応えた事に対しては顔を向けて返すのだが…

「あ、おっ、あ、蒼井くんも…ごくろうさま」
 と、まるで目の前に座っている美冴さんに対してさえ、その存在に初めて気づいたかの様にそう云ってきた。

 そのくらいにわたしに対しては、かなりの動揺を、そしてウソ、嘘の表情をしてきたのだ…
 それがわたしの新たな違和感を更に掻き立ててくる。

 この違和感、嘘、ウソ、動揺は何の意味?

 何に対して?

 それはもう…

 答えはひとつであろう…




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