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シャイニーストッキング
第21章 もつれるストッキング5   美冴
 115 愛してる…(6)

 本当に最悪で、ひどい夜……だ。

「う、ウソ、嘘よ…あ…
 あっ、んんっ…………」
 彼の目の前へと延ばしていた脚を捕まれてしまい、グイッと引き寄せられる。

「ほ、本当に、みさえを愛してるんだっ」
 彼は、わたしのまだストッキングを穿いている右脚をグイッと引き寄せ、自らの左脇に抱え込み、そう言ってきた。

「う、嘘よっ、お、大原、あん、あ、アナタが愛してるのは、わたしじゃなくて……
 こ、このストッキングなのよっ…………」
 わたしは捕まれている右脚にグッと力を込めて、必死に抗う……
「あ、んん」
 ううん、抗っているつもりなのだが、力が入らず、彼の左手さえ、振り払えない…
 いや、その捕まれている右脚から、融けてしまうような感覚を感じてきていた。

「う、嘘よ、や、ん、は、離して……」
 言葉だけ、そう、口では必死に抗っているつもりなのだが…
 左脇に抱え、グイッ寄ってくる彼の唇が…
「あ………っん…………」
 避けられない。

「み、みさえ」
「ん、んんっ」
 だが、必死に首を振り、唇から逃げる。

「わ、わたしの…す、ストッキング…よ……」
 融け、抜けていく力の中で、最後にできる抗う言葉。

「い、いや、ち…」
「違わないわっ、アナタが愛してるのは、このストッキングなのよっ」
 最後の力を振り絞り、慟哭を吐く。

「あ、ち、違う……」
 だがギリギリ、この叫びが、彼の心に刺さったみたい…
 捕まれていた腕の力が、スッと緩んだ。

「ううん、違わないわ…」
 だが、抱えられている右脚は抜けない…

「いや、オレは、本当に、みさえのことを…」
 そう呟く彼の目には…
 焦り…
 自虐…
 憂い…
 複雑に揺らぐ色が浮かんでいた。

「ううん違わない…
 ゆかりさんのストッキングよりも…
 松下秘書のストッキングよりも…
 わたしのストッキングがいちばん好き、愛してるのよ……」

「あ…い、いや…………」

 焦り…
 それは、その愛が全てを壊してしまう事実を分かっているから。

 自虐…
 それは、抑え切れない、自らの性癖嗜好の衝動への葛藤から。

 憂い…
 それは、わたしの言葉を完全否定できない濁情の翳りから。

 そして、それらの揺らぎは…

 本当にわたしのストッキングをいちばん愛しているという露れ……



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