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シャイニーストッキング
第21章 もつれるストッキング5   美冴
 127 今までも…

「わ、わたしの方がいい…な、なんてさぁ…
 ホント、ば、バカ…な……の………」
「……」
 オレはそう囁く美冴の濡れ、潤んできたその目を見て…
 また再び高鳴り、昂ぶりを感じてしまった。

「ぜ、全部を捨て、失くせないくせにさぁ…
 そ、それなのに、わたしの方が…なんて…さぁ…」

 全部、捨て、失くす…
 
「あ…い、いや…み、みさえ…」
「どうせ無理…ううん、ウソのくせに…」

 いや… 
「あ…でも…もう、ゆかりさんは………」
 そうなのか、本当に、ダメなのか?

「もう…あれじゃぁ…無理よ……
 諦めた方が……いい……かなぁ……」
「………」
 だが、その美冴の目からは…
 再びの濡れて潤んだ艶ともうひとつ…
 なんとなく不思議な色が感じられたのだ。

 何かあるのか?
 美冴は何かを隠してるのか?

「ほらぁ…やっぱりぃ…
 全然、覚悟できてないじゃん……」

 さすが勘が鋭い…
 オレの、ゆかりに対する諦め切れない情けなく、藁にもすがる想いと…
 美冴から感じる微かな違和感の戸惑いを、敏感に感じたみたい。

「失くせないんでしょう……」
 だけど、そう言う美冴の目がまた、艶やかな色に変わったのだ。

 やっぱり何かあるのかと、心が騒き…
 そして、また高鳴りと、昂ぶりも揺れてきた。

「そ、そんなこと…ないさ…お、オレには…み、みさえさえ……」

 それは、ウソ…
 
「………」
「み、みさえが…み、みさえさえ……」

 それも、嘘……

「な、なに言って…るのよ……」

 そして、分かってきたこと…
 いや、心に浮かんできたことが……

「み、みさえさえ…み、みさえが…ほしい…」
 そう囁き、手を伸ばし……

「あ、ば、バカ……」

 間違いなく、何かを、ゆかりの何かを…
 美冴は知っている…
 それに、オレの失くしたくないという、本音にも理解しているはず。

 そして…
「み、みさえ……」
 手を伸ばし、肩に触れていく…

「あ…や…ば、バ…カ………」
 美冴は触れた瞬間に、力なく崩れてしまう。

「あぁ…そ、そんなぁ………」
 そして、分かったことがある。

「み、みさえ…」

 オレは今みでも、こうしてあやふやに、優柔不断に曖昧にして…
 なんとなく…
 なんとかしてきたんだってことが。

 なんとかなるさ…と。



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