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胡蝶の夢
第4章  檻 




無理矢理に全部奪われていたならばどれだけ楽だったろう。


ただの被害者でいられたのに…。


母の形見さえ穢して仰け反るなんて。


ぐじゅっ…


肛環に触れる。


潤った音が耳障りに響く。



「うっ…」



自らの中に指を差し入れ、万年筆を探すしか無かった。


硬いシャフトが触れているのに、つるつる滑って掴めない。



「あぁっ…」



どうしてこんな事になってしまったんだ。


汚い。


醜い。


くちっ…、くちっ…


ズズズズッ…


カランッ


引っ張り出したものが床に転がった。


ほら、また…指が罪に染まった。




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