この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘匿の闇市〜Midnight〜
第5章 禁じられた二人


「あたしがあさひを幸せにします」

「…………っ」

「もう貴女のものじゃないなら、こちらでどう扱おうと勝手ですから」



 あさひは、自身の胸を押さえていた。

 煌めくような波が溢れ出していく。許容量を超えた何かがあさひを満たして、いっそ苦しい。この感覚を無理矢理に形容するとすれば、あさひは、舞い上がっているのだ。


 彩月の本心が見えない。佳子のために、あさひを世話しているだけではなかったのか。


 ややあって、冷ややかな祖母の声が続いた。



「フンッ……犬の分際が」

「どういう意味です」

「家政婦なんて嘘でしょう。貴女だって持ち物に違いない……──どうせあのご婦人に買われたに決まってる!認めない……不幸になれ……お前もあいつも……出て行け!お前のせいで……──私のっ、夢まで壊すなーーーっ!!」


「っ、……」



「おっ、おばぁ──…」


 物音に弾かれるようにして、あさひは今度こそ飛び出しかけた。

 踏み込むより先に、勢い良く扉が開く。
 


 あれだけ感情的になった育江も、初めてだ。誰に向けて吐き出しているのかは分からない。ただ、祖母らしからぬ酸鼻を極めた呪いの言葉は、永遠に続くのではないかと思われた。

 


 志乃達が起き出してくる頃には、育江は通常の顔に戻っていた。

 朝食の間も、彼女らの間に変わったところは見られなかった。
/372ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ