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性交旅行
第2章 第二話
「んぅ、あぁぁぁあぁ……」
 もうきそう、くる、くるよ……。その時ガラガラと引き戸の開く音がした。
 身体はイク準備をして悶えながらも、視線はなぜ音がしたのかと引き戸の方に注意が引かれてしまった。
 そこに立っていたのは裸の夫だった。
 彼も視線を引き戸に向け、夫を見て一瞬動きを止めたが、また腰を激しく動かしだした。
 私の頭は混乱していた。夫がこの場にいることにも、彼が驚きもせずに腰を振り続けることにも。彼から与えられる快感とそれを夫に見られているという状況が処理できずに、狂ってしまいそうだった。

 引き戸を開けると、妻が若い男と合体していた。
 分かっていたことなのに、少なからず動揺してしまっている自分に驚いた。しかし、頭で理解するよりも早く自分の息子がむくむくと大きくなり、妻が犯されている姿に興奮する自分を改めて実感してしまう。
 妻の浮気には早々に気づいていた。
 しかし、止めることができなかった。
 いつの間にか私の息子は妻の身体では立たなくなってしまっていたのだ。
 妻のことは変わらず好きだったからそれがなおのこと辛く、行為がないことに妻が不満を積もらせていることも薄々分かっていた。
 だから、最後には自分のところに帰ってくると信じ、浮気を始めたからとて自分が仕事にいっている間に会い家事をおろそかにすることもなかったので、そのままにしていた。
 しかし、メッセージのやり取りだけは見ないでいることができなかった。
 浮気相手に夫と別れたいとか、浮気に気づかない馬鹿旦那など、浮気している妻が送っていそうな内容を送られているのだけは嫌だった。
 馬鹿にされているくらいなら、潔く身を引こうと思っていた。
 しかし、妻と男はそんなやり取りはしていなかった。
 ただ、逢瀬を重ねるうちに、行為中の何がよかったなど赤裸々に語りだしていたのにはいささか驚いた。
 写真や動画はないものの、そのやり取りが生々しく、長いこと上を向くことがなかった息子が元気になるほどのものだった。
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