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性交旅行
第3章 第三話
「俺、しばらく出かけてましょうか?」
 久しぶりに夫の体温を感じていると、彼の声がした。
「そうだね、売店で何か飲み物でも買ってきてくれないかな。今お金を渡そう」
 夫はそういうと私から離れ、部屋の隅にある鞄から財布を出して、いらないという彼にお札を握らせた。
 彼はそれと部屋の鍵を持って出ていった。
「あなた、ごめんなさい。でも、一番大切なのも一番好きなのもあなたなの」
 戻ってきて隣に座った夫にそういった。優しく微笑んだ夫はこういった。
「謝らなくていいんだよ。問題は僕にもあった。怒っているわけでもないし、ゆりが浮気してくれたおかげで、また繋がることができたんだから」
 ギューッと力強く抱きしめられて、私は安堵を覚えた。
「彼にはお礼をしなきゃね。この旅行を三人の特別な思い出にしようじゃないか」
 目が合った夫と久しぶりに唇を重ねた。
 彼の唇よりも少し分厚い唇を夢中でついばんでいるうちに彼が戻ってきた。
 慌てて夫から離れて、さっき夫と繋がっているところを見られたのだと思い出し、無性に恥ずかしくなってしまった。
「お茶でよかったですか?」
 そういって彼が私と夫にお茶を差し出した。
 受け取ってものすごく喉が乾いていることに気づいた。蓋を開けごくごくと勢いよく飲めば、すきっ腹に冷たいお茶が染み渡り、お腹が空いていることにも気づいてしまった。
「少し遅いが軽くご飯でも食べに行こうか」
 夫も同じだったのかそういって、私たちは三人で出かけることにした。

 夫の車に乗り込み、私は助手席、彼は後部座席に座った。
 お土産ものも並ぶ商店街で買い食いをしながら、夜に飲むお酒やつまみの買い出しをして、旅館に戻る頃には日が暮れだしていた。
 複雑な関係でありながら、私たちは楽しい時間を過ごし満足していた。
 夕食が用意されるまでの時間、大浴場を満喫し定番の卓球も嗜んだ。
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