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性交旅行
第3章 第三話
 これでゆりさんと食事をするのも最後かもしれないなぁ……なんて感傷に浸っていたのに、これからの三人の関係性について提案された案がこれである。
 あまりの突飛な提案に最初この夫婦何いってんだと正直思った。しかし、よくよく考えてみれば、旦那さんはゆりさんだけで下半身のモノを立たせることができない。旦那さんのモノが立たなければ、ゆりさんの穴はまた埋まらなくなってしまう。
 そう思うと、俺はこの夫婦に必要とされているということに気がついた。
 それは、不思議と俺の心を満たし、幸福感を生んだ。
 誰かに必要とされることは、大人になってからの方が少なくなるような気がする。もちろん、パートナーでも居れば話しは変わってくるのだろう。しかし、親元を離れ一人で生活するようになり、仕事も俺だからできることなど何もない。社会にとって、常に俺の代わりがいることを知っていくのが大人になることなのかと最近思うようになったところだ。
「いいですよ。旦那さんとゆりさんがそれを望むなら、俺に他に大事な人ができるまでこの関係を続けましょう」
 この夫婦と三人で過ごす時間はそこまで居心地の悪いものではなかった。何よりも必要とされているのなら、特に損はないのだし受け入れていい提案だった。
 できることならば、俺もゆりさんの温かくとろけるような穴の中へ突き進みたいものだが、そんな機会が訪れるのかはなんとなく望み薄な気がしていた。
 それでも、穴に入れるだけが気持ちいいわけでも、満たされるわけでもないと、この新たな関係を楽しみにしている自分がいた。

 正直彼が受け入れてくれるとは思っていなかった。
 行きとは違う乗りなれた車の助手席で、私は先程までのやり取りに思いを馳せる。
 彼は今後三人ですることをよしとした。私にはそのメリットが思いつかなかった。今まで通りの身体の関係がもてないかもしれないこともちゃんと伝えたが、その気持ちは変わらないようだった。
 なんにせよ、これで私はまた夫と繋がることができるのかと思うと嬉しくて仕方なかった。
 今は、彼が私に触れていないと立たないかもしれないが、いずれは私だけでも立ってくれるかもしれない。
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