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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第2章 悲恋の過去と美しいヒーロー


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 約束の水曜日。京さんがお気に入りだと言うお洒落なベーグル屋さんでランチをして、こないだのコスメ屋さんに行く。

「おいしかったですね~! 私、ベーグルってあまり食べる機会ないんで、新鮮でした! あんなに色んな種類があるんですね!」

 全部で20種類はあるんではないか? といった感じで、具材を挟むベーグルを何にするかで随分迷って、結局、京さんオススメのヴォルケーノ(?)ってやつにした。こんなお洒落なものを毎朝、食べているのか……と住む世界の違いを感じた。

「これも、ありがとうございます!」

「いえいえ」

 私の手には、ベーグル屋さんの袋。何個かの京さんオススメベーグルをプレゼントしてもらったのだ。

「はい、完成。ん~なんかちょっと違うような。姫って言うには少し違う気がするなんだよなあ。なんでだと思う?」

「えっ……あっ……もう少しピンクみを薄くしたほうがいいのかもです。微妙に濃いっていうか……ですかねぇ」

「おっ! 心愛ちゃん、研究熱心。そっかー! じゃあ、それ系も含めて今日は補充していくよ!」

 あれから私は、美容室の待ち時間や養母の病院(皮膚科や定期検診)について行った待ち時間でコスメ雑誌を読んで研究をしていた。時々メイクをしてもらって帰る私に機嫌を良くした養母がコスメを買ってくれたりもした。高いのは頼みずらかったので、ドラッグストアとかスーパーに売っているプチプラコスメだ。養母は、私が読みたかったからとたまにコスメ雑誌を買って帰ってきていたりもしたので、一緒に読んだりもした。最後は私にプレゼントしてくれていたりして……。何も言い出さない私への気遣いなのだと思う。

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