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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第8章 第三話【波の音】 予感 
 だが、亮平と過ごした半年間には、確かに楽しかった日々も存在するのだ。ふいに耳奥に打ち寄せる波の音が蘇り、幸は強く首を振った。
―こんな気持ちはただの感傷にすぎない。
 急に湧き上げてきた想い出を振り払うように、強く首を振る。幸は薄紅色の貝を小物入れに戻すと、何かを怖れるかのように元の場所に置いた。
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