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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第8章 第三話【波の音】 予感 
 翌日の午後、幸は馬車で外出した。幸の住む都市(まち)は、北陸でも有数の大都市である。殊に幸の住まいからは大学や女学校、紡績工場なども近く、活気に溢れていた。都市の商店街には様々な店が軒を連ね、ひしめき合っている。幸もしばしば買い物に出かけたが、今日は浩三の新しい背広を注文するために服屋に赴いたのだ。
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