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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第10章 第三話【波の音】 衝撃の真実 
 亮平の涙を見ている中に幸も泣きたくなったけれど、懸命に微笑んだ。
「幸―」
 亮平が幸の腰を引き寄せる。幸の白い身体が弓なりにのけぞり、喉許から甘い悲鳴が洩れた。
 遠くから潮騒がかすかに響いている、静かな夜であった。庭の紫陽花は深い海色に染め上がり、その傍らでは釣り鐘草が可憐な花を咲かせている―。

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