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狂愛の巣窟
第10章 【狂愛の巣窟ー最終章Ⅱー】





有紗ったら……一言も言わないんだから。
そう思いながら口元が綻んでしまう。
一颯くんにはバレないようにしなきゃ。
相当顔に出てたらしい。




「手を洗うよ、洗面所はここかな?」




「あ、はい」




あれ?知ってるはずなのに。
一颯くんの前だからそうしてくれてるのかな。
「ごめん、どのタオルで拭けば良い?」と聞かれ慌てて用意する。
狭いスペースで扉を閉められ強引に唇を重ねてくる熱い身体に欲情するのはいつまで経っても直らないみたい。




誰にも開けられないよう扉を押さえながら口内を犯されている。




「ハァハァ……今はダメです、真さん」




「ああ、わかってる……キミが煽るから」




「ごめんなさい…」




「その顔も本当ズルいよ」




再び重なる唇に悦ぶ私は執拗に絡めてしまうの。
止められない……この人の犯し方が好き。
私が絶対抗えない人、お義兄さま。




火照る身体を持て余したまま出て来た2人に有紗と一颯くんも挨拶を済ませる。
サプライズで呼んでくれていたお義父さまとお義兄さま。
もう一度インターホンが鳴り、次に訪れたのは理玖くんだった。




「本当、抜かりないよな」って一颯くんも呆れてる。




「じゃ、皆さん揃ったところでパーティー始めたいと思います!」




有紗の号令に持ち寄ったお酒やジュース、料理が所狭しと並ぶ。




「……とその前に、はい、ママ……私からのプレゼントその1」って言われて大きな上袋を手渡される。
その1ってどういう事?まだあるの?




「じゃ、皆さん、ちょこっとだけご歓談を……ママは着替えてきまーす」




「えっ!?コレ、服なの?」




2階に上がらされ有紗の部屋で着替えさせられる。




「ちょ、ちょっと待った!コレ本当に着るの!?私、35だよ!?」




「歳は関係ないでしょ?ていうか絶対ママ似合うから、私が着せたいの、今日はサービスしてあげなよ?ママぞっこんラブな人たちばっかなんだから」




えっ…!?有紗、何処まで知ってる!?
もしかして、全部知ってるの!?




「ほら、早く早く、着たら写真撮るよ?享パパに送ったら飛んで帰って来るんじゃない?帰って来たらまた着てあげなね?享パパ燃えそう〜!」










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