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狂愛の巣窟
第10章 【狂愛の巣窟ー最終章Ⅱー】
完全に楽しんでるのは有紗の方だよね。
プレゼントしてくれたお洋服は全身黒だけどニットのセットアップなのかな。
上下セパレートでトップスは右肩だけがガラ空きのデザイン。
鎖骨まで見えちゃうね。
スカートも短い。
スリットも10センチほど入ってる。
そこで用意されていた黒のニーハイソックス。
デニール40ほどの色の薄さ。
そして、最後に黒のキャスケット帽。
「ヤバ……色っぽ過ぎて皆ギンギンに勃っちゃうかも」
「バカ!ていうか恥ずかしい」
ソワソワしてたらもう写真撮ってるし。
「何着ても似合うね」って言ってもらえるのは嬉しいけどちょっとコレは攻め過ぎなんじゃ…?
皆待たせてるから行くよ…と強引に手を引かれ降りていく。
「お待たせ〜」と引っ張られ現れた私に皆が息を呑む瞬間がわかった。
スカート短過ぎて座ったら見えちゃいそうだよ。
「可愛いでしょ?さぁ、始めよう!ママはそこ座って」
ソファーを指差されたけど、そこはお義父さまとお義兄さまの間。
家族だから…と一颯くんも渋々納得した様子。
な…………謎のハーレム状態。
私、保つか!?
案の定、座るとスカートが上がってスリットに目がいく。
手で隠しながら座る。
「お誕生日おめでとうございます」と皆さんで乾杯して頂いたシャンパンを嗜む。
やっぱり終始視線が気になる。
他愛もない会話を楽しむけれど真さんと話せば一颯くんが妬くし、お酒の入ったお義父さまは平気で太腿を触ってくる。
今はダメ…と目で合図し手を退かせた。
お義父さまがトイレに行った隙に理玖くんが隣について、何だかホストクラブに居るみたい。
あーんして食べさせてくれるのを断ると空気汚しちゃうかなって食べるとまた一颯くんに怒られそう。
「享居ないから寂しいのか?」と真さんが向かせてくる。
それ今は禁句なのに…と一颯くんをチラ見してしまった。
もっと余裕のある顔してよ。
あんなに愛し合ったのに。
「そうですね、夫婦ですから」
そう言うと目の色変えたのは真さんで。
「今日は忘れさせてあげるよ」と平気でキスしそうな勢いだったからスルリと交わし席を立った。