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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第4章 ~遠征~
心が満たされれば、愛しさが込み上げてくる。
気持を言葉にしなくなる、だけどサクナは何も言わずルカをきゅうと抱きしめる。
その言葉はとても大切なもので、誓の日まで言わないと決めた。言いたいし、言われたい。だけど、その日までとっておきたいとルカが言ったから。
言葉にできないのはちょっと苦しい、この想いを伝えたくて胸がきゅうきゅうと鳴り響く。
「ルカ……」
切なく、愛しい人の名を呼ぶ。
暫く逢えない事がそれをより強く思ってしまう。寂しい、側にいたい…………離れたくない。
好き、と言えたらどれほど変わるのだろう。
サクナは心で何度も呟いた。
「サク……キスしよ?」
あ……と、サクナは気づく。
いつもルカは口づけをしてくれる。だけど、今はサクナはルカの上にいた。サクナは顔をあげルカの形良い唇に触れる。
優しく啄み愛を語らうように戯れ唇を合わせ、そっと舌を忍ばせる。甘い吐息、ふわっと漂う甘い香りに惹かれ互いに舌を絡め吸い尽くす。
起きたときはまだ薄暗かった部屋は窓から差し込む朝日に明るく照らされていた。