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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第5章 ~初めての恋は甘くて切ない味~
────その夜。
サクナは倒れるようにベッドに沈む。
ルカに初恋の人がいた。
嘘か真か、何も言わないケイルに心が不安になる。
つい今朝までルカが帰ってくると浮きだった心が一気に冷めた。
────恋ぐらいするよね。
ルカの気持ちを疑うわけじゃないが、いろんなことが重なり不安になってしまう。
ルカが自分を護るのは祈り姫だから、出会った日に口づけを交わしたのは甘い香りに誘われたから。
でも、ルカは、愛してると言ってくれた。
大事な言葉だから。
誓の日までその言葉を言わない、
サクナはまぶたをゆっくりと閉じてゆく。
会いたい、寂しい…………ルカ。