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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第6章 ~糖度注意報~
サクナはルカの首元におでこをつけ顔を埋めた。
ルカはサクナの髪をすくい指に絡め遊び出す。
ルカに再開するときは淑やかに陛下の婚約者として務めようと思っていたのに。
突然の訪問、気がつけば彼の胸の中、その欲求までも満たされてしまった。
────淑女には程遠い…………
サクナはふーっとため息をつく。
「どうした、何か不満?」
不満なわけじゃない。
その欲望の不満を満たされてしまったのだから。
火照る躯を鎮め、広い胸、心地よい腕枕。
そして、甘い香り。
「別に……不満なんて」
あるわけ無い。ただ少し悔しい。
ルカが居なくて心をかき乱されルカの初恋の話まで訊かされ、毅然とした態度で余裕を見せようと思ったのに。
抗えなかった事が悔しい。
サクナは目の前に映るルカの首筋に眼をやる、しっかりと男性らしくだけど綺麗。
チロっと舌で舐めてみた。
顔をあげ舌を耳元まで這わせると、サクナの髪を弄んだルカの手がピタッと止まる。