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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第6章 ~糖度注意報~
ほんの出来心だった。
ルカが遠征にいってる間いろんなことがあった。
そんな自分の気も知らないで…………否、それを知ってたかのように寂しかった躯を満たされ、優しく抱きしめるルカに少し悔しくなった。
だった…………でも、いつも余裕なルカが少し動揺しているのが愉しくなり、それはある種の仕返しに近かった。
ルカの双眸に睨まれ身が恐縮する。
「お、怒ったの?」
軽蔑されたのか。
女性が男性の躰を舐めるなんてはしたないと。
「怒る? …………あんな気持ち良い事されてる怒るわけないだろ」
────気持ちよかったんだ…………
無意識に強張った躯は緩和されてゆく。
だが、ルカの言葉とは裏腹に蒼い瞳はサクナを捉え続けている。
心臓が早鐘をうつ。 こんな状況に気が高鳴りその瞳から眼が離せないでいる。
「サク、そんなに不満? …………俺を煽ってやりたいのか?」
「え……そ、そういうつもりじゃ……」
ルカが自分をからかうアレと同じで、ちょっとした出来心のつもりでしかなかった。
「やっぱり怒ってもいい? 人の気も知らないで俺を惑わせる、悪い子だサク」