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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章  ~ご主人様の甘い誘惑~


 ルカは腰の高さほどある木でできた柵に寄りかかり街を見渡していた。

 どこか儚げな横顔、ルカはときおり寂しげな表情を見せる。

 いつも明るく優しい、そして自分に正直なルカ。

 その胸うちは何を思っているのか。
 サクナも静かにその視線の先に眼をやる。

「あれから八年…………か」

 サクナはその時のことをあまり覚えていなかった。
 まだ、八歳だったサクナだけどこの景色とその当時の記憶を何となく思いだした。


 どうして今まで気づかなかったのか不思議なくらい。

 八年前のここ、祈りの祭壇にて星に帰った前陛下を見送った場所だった。

 当時、王太子だったルカが告別式に参列してないわけがないのに。

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